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研究

有機地球化学・分子地球生物学を専門とし、環境・地質試料中に含まれる有機物の解析を通じて、地球生命史と地球表層環境の変動史を研究しています。 

🌍 古環境復元:陸上生態系のありさまを描き出す

恐竜時代から現在へと続くひと繋がりの地球システムの中で、陸上生態系はどのようにあり、変化してきたのか。分子化石や花粉化石を用いて、時代や地域ごとの古環境・陸上生態系を復元します。

白亜紀〜古第三紀の陸域古環境復元

北海道各地の蝦夷層群・根室層群と、福井県勝山市の手取層群を主なフィールドとして、陸上植生や海洋環境の変遷をバイオマーカー分析を中心に復元しています。被子植物・裸子植物のテルペノイド組成から陸上植生の転換を追跡し、海洋無酸素事変が陸域生態系に与えたインパクトや、K-Pg境界後の温室地球から氷室期へ向かう過渡期における生態系の再編にも取り組んでいます。今後は西日本の白亜系など、有機地球化学的アプローチが有効に機能するフィールドをさらに広げていくことを目指しています。

新生代〜完新世の環境変動

有機地球化学的手法はあらゆる時代の試料に適用できます。湖沼・海洋の表層堆積物や掘削コア、露頭試料などを対象に、多様なバイオマーカーの挙動を検討し、古環境指標の精度向上と環境変動の復元に取り組んでいます。

考古遺跡への有機地球化学的アプローチ

遺跡土壌のバイオマーカー分析や出土遺物の起源解明など、考古学分野の研究者との共同研究・受託研究も展開しています。

⚗️ 生命の化学的痕跡:分子化石の起源を辿る

絶滅植物や化石樹脂(琥珀)、現生種の化学分析により分類群特有の化合物組成を明らかにし、堆積物中での分子の分解・構造変化の過程も追究します。地質有機物にたたみ込まれた複雑な情報を解きほぐし、新たな起源・環境指標を見出すための基礎研究であり、古生物の生化学的特徴を読み解く研究でもあります。

琥珀の有機地球化学と樹脂起源・続成過程の解明

国内外の琥珀やコパル、各種天然樹脂の体系的な解析データセットを構築中です。テルペノイドの炭素骨格レベルでのプロファイリングにより、樹脂生産種の化学分類学的同定に取り組んでいます。

植物化石のテルペノイド分析と化学分類

化石に残存するテルペノイドから絶滅分類群の生化学的特徴を抽出し、生物学的帰属が未解明な形態属化石の親縁関係を化学分類学的に絞り込む研究を進めています。

藻類バイオマーカーの化学分類とアルケノン古水温計

ハプト藻が合成する長鎖アルケノン類の多様性と化学分類に取り組み、淡水・陸水域でのアルケノン古水温計の応用可能性を開拓してきました。

🔧 分析・解析技術の開発

古環境復元や分子化石研究の精度と可能性を広げるため、分析・解析手法そのものの開発にも継続的に取り組んでいます。炭素骨格プロファイリングや分子化石マススペクトルライブラリの構築を進めているほか、微化石の形態・色調情報の定量化や質量分析データへの情報科学的アプローチなど、分野横断的な手法開発にも関心を持っています。こうしたテーマに興味のある学生も歓迎します。