Gephyrocapsa including Emiliania huxleyi (Emiliania/Gephyrocapsa complex)

Morphological and Phylogenetic Characterization of New Gephyrocapsa Isolates Suggests Introgressive Hybridization in the Emiliania/Gephyrocapsa Complex (Haptophyta)


Bendif, E. M., Probert, I., Young, J. R., & Dassow, von, P. (2015). Protist, 166(3), 323–336. http://doi.org/10.1016/j.protis.2015.05.003
ざっくりまとめると
  • フローサイトメトリーで細胞1つずつ分取して Gephyrocapsa muellerae の株を単離した。
  • 形態と遺伝子から、G. muellerae を同定。採取地点の環境条件からも妥当。
読んだ遺伝子:nuclear 18S & 28S rDNA, plastidial 16S & tuFa, mitochondrial cox1 & cox3)
  • cox3 と tufA でみると、 G. muellerae は E. huxleyi と括られ、いずれの系統樹でも Emiliania は多系統となることが分かった。
  • Gephyrocapsa の複数の系統から E. huxleyi (の形態)への収斂進化が起きたか、E. huxleyi の形態種が一度進化したのちに G. muellarae と交雑して隠蔽種へと分かれた可能性が考えられる。
  • いずれにせよ、Emiliania 属は Gephyrocapsa 属に変更されるのが妥当では?

メモ


Emiliania と Gephyrocapsa は遠からず一緒になるという声も聞こえてきていたが、こういうことだったのか。これまでにも、手元でいろいろ系統樹を書くと、Emiliania クレードに入ってくる Gephyrocapsa 株などごちゃっとすることがあって、同定ミスにしては多いのでは、なんて気になっていたのだが、 Emiliania/Gephyrocapsa Complex だったのなら納得。
  • シングルセルフローサイトメトリーで単離して、アルケノン組成の分析までできるようになると色々面白そう。Noëlaerhabdaceae の培養株はまだまだ少なく、現生の Reticurofenestra は中心目珪藻に寄生している。脂質組成にもそのような独特の生態を反映する特徴が見られたりしないものだろうか。