Paperpile から書き出したRISファイルを他の文献管理アプリでPDF付きでインポートする方法

Paperpile と Zotero


どちらも優れた文献管理ソフトだが、Paperpile がウェブ上での動作に特化しているのに対して、Zotero はローカルでのライブラリ構築が基本だ†。暫く使った Paperpile から Zotero へのデータ移行にあたり、文献の添付ファイルの読み込みに一手間かかったので作業内容を記録しておく。
†Zotero にもクラウド経由で複数端末のライブラリを同期したり、ウェブからライブラリ内容にアクセスする機能はある。

Paperpile → Zotero


ライブラリ移行作業はガイドを見ると次のような2ステップと単純である。
  1. Paperpile 側で RIS ファイルでライブラリを書き出す
  1. 書き出した RIS ファイルを Zotero 側でインポートする
この通りに作業したところ、文献情報は速やかに読み込まれた ₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾
ところがよく見ると、PDFやサプリメントといった添付ファイルが一切抜け落ちた状態であることに気づく。しまった、何千もある文献のファイルを一つずつ拾って再登録なんてやりたくないぞ。

解決方法


Paperpile forum のスレッドに解決法がありました。
1. で書き出した RIS ファイル内の記述、具体的位には添付ファイルへのリンク(パス)、これをテキストベースで自分の環境に合わせて修正してから Zotero に読み込むとよいとのこと。
Paperpile 書き出した RIS ファイルをテキストエディタで開く。添付ファイルへのリンクは
となっているが、これを実際のデータパスに書き換える必要がある。
私の環境ではPaperpile のファイルは Google Drive 以下に配置されていたので、実際の Google Drive のフォルダ構成に従って
と修正する。"L1 - All Papers" を検索語にしてテキストエディタで修正後のパスに一括置換した。
ちなみに複数の添付ファイルがある文献には、二つ目のファイルは L1 の部分が L2, 三つ目は L3 ...となったリンクが付いているので、それらも全て同様の絶対パスに置換する必要がある。
パスを置換した RIS を改めて Zotero に読み込んだところ、文献情報の読み込みと同時にローカルの添付ファイルがすべてリンクされた状態で読み込まれた。成功だ。
 
Paperpile について

Paperpile は Chrome 拡張機能としてブラウザ上で動く文献管理ツールで、オンラインからの文献の取り込み機能は Google Scholar はじめ主要なリポジトリによく対応している。Webベースのサービスなので今のところインターネット接続が必須だが、大量の文献を扱っても軽快であることや、文献情報の共有が手軽なのがよいところ。当初から Google Documents に対応した文献リスト作成機能を実装している。クラウド上での執筆ツールとして今後の動向が気になるところ。